No.4 フィリピンの発展状況を少し

- ASEAN全体
- フィリピン
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■2026年2月4日(水)配信記事
さてさて、2月になりました。
これから冬季オリンピックが始まります。
当然、現地には行きませんけども楽しみですね。
ということで、最近話題に出していないフィリピンを。
まずは政治状況から。
2022年6月からマルコスジュニア政権になり、
フィリピンの憲法として1期6年、再選不可なので
2028年まで任期があります。2026年からちょうど半分が終わったということです。
そもそも高い支持率があり、ドゥテルテ政権から
引き継いだ「ビルド・ベター・モア」政策で
インフラ推進を強力に進めていましたが、少しずつ汚職問題、
内部ゴタゴタなんかが出てきてしまい抗議デモも発生しています。
それに伴い、経済成長も想定より低くなりそうです。
しかし、2025年は4.5%前後、皮肉にもインフレも落ち着きそうです。
では、不動産マーケットはどんな感じでしょうか?
特に外国人投資家目線で見ると、
コンドミニアム市場は選別が重要で、
「工業・商業用不動産」にシフトしたという印象です。
特に2025年9月に外国人の土地借地期間を最大99年間に
延長されたということもあり、自社工場や拠点設置で
動きが見られています。
一方でコンドミニアムマーケットは今までの勢いは落ち着きつつ、
インフラに合わせた戦略的な投資が必要かなと思います。
■不動産マーケットの光と影
・住宅(コンドミニアム)市場の苦戦:
- 政府によるオンライン・ゲーミング事業者(POGO)の禁止措置により、マニラ首都圏(特にベイエリアやマカティ)で空室率が上昇し、賃料が下落しています。
- 22025年第3四半期の住宅価格指数は前年比1.9%増になりました。
・地方都市・インフラ周辺の活況:
- マニラ中心部の過密を避け、クラーク、セブ、カビテといった地方都市や、新鉄道沿線の物件への関心が高まっています。
- セントラル・ルソンを中心に、製造業向けの工業団地需要が非常に強い。
*フィリピン投資のポイント
現在は「賃貸利回り(インカムゲイン)」を狙うには厳しい時期ですが、中長期的にはインフラ完成に伴う「資産価値の上昇(キャピタルゲイン)」を期待する時期で、今まで以上にエリアと信頼できる大手デベロッパーの物件を選ぶことが重要です。
■政府主導のインフラ政策について
マルコス政権のインフラ政策「ビルド・ベター・モア(BBM)」は、
2026年度予算で過去最大となる約1.55兆ペソ(約4兆円)を割り当てるなど、
非常に強力に推進されています。
- 鉄道網の劇的な拡充
長年の課題だったマニラの渋滞解消に向け、日本の技術支援(円借款)によるプロジェクトが佳境を迎えています。
- マニラ首都圏地下鉄: フィリピン初の地下鉄プロジェクト。2025年後半から2026年初頭にかけて用地取得が80%超まで進む見通しで、トンネル掘削も順次進行しています。
- 南北通勤鉄道(NSCR): マニラと南北の地方都市を結ぶ巨大鉄道網。2026年2月時点で、主要なレールの敷設や溶接作業が開始されるなど、建設が急ピッチで進んでいます。これにより、マニラ郊外の不動産需要がさらに高まると予測されています。
- 空港・道路インフラの近代化
- マニラ空港(NAIA)の再整備 →運営が民間(NNIC)へ移管され、ターミナル集約やシステム刷新による効率化が進んでいます。また、第5ターミナルの建設計画も浮上しており、利便性向上が期待されています。
- 新マニラ国際空港(ブラカン)→巨大な新空港プロジェクトも進行中で、周辺エリアの開発を後押ししています。
- リスクと懸念点
- 「架空事業」の発覚: 2026年に入り、一部のインフラ計画で不正や不透明な予算執行が指摘されており、一部プロジェクトの進捗にブレーキがかかる懸念が出ています。
- 物流コストの課題: 依然として道路渋滞や港湾施設の老朽化は深刻で、物流コストの高さが製造業などの実需層には負担となっています。
投資の視点では、「駅近物件」や「新空港周辺」といった具体的なインフラの恩恵を受けるエリアへの絞り込みが、リスク回避の鍵となっています。
■注目エリアと駅に関して
- マニラ首都圏地下鉄(MMS)沿線
フィリピン初の地下鉄プロジェクトで、2029年末の全面開通を目指して建設が進んでいます。特に以下の駅周辺は、駅直結物件や再開発が活発です。
- ノース・アベニュー駅 (North Avenue): ケソン市の交通ハブ。既存のLRTやMRTに加え地下鉄も乗り入れるため、利便性が飛躍的に向上します。
- オルティガス駅 (Ortigas): 既にビジネス街として成熟していますが、地下鉄開通によりさらなる地価上昇が期待されています。
- カライヤーン駅 (Kalayaan): 人気エリア「BGC(ボニファシオ・グローバルシティ)」に近接しており、BGC内の高額物件を避けたい投資家の受け皿となっています。
- 南北通勤鉄道(NSCR)沿線
マニラと南北の地方都市を結ぶこの鉄道は、通勤圏内を劇的に広げます。
- クラーク駅周辺 (Clark): 「第二のメトロマニラ」として開発中のクラーク・グローバルシティが注目。2026年までにマスタープランが完了予定で、カジノや空港、オフィスが一体となったエリアです。
- カランバ駅周辺 (Calamba): 南部の製造業ハブ。マニラへのアクセス改善により、実需層(エンジニアやワーカー)向けの住宅需要が高まっています。
- MRT-7号線(2026年部分開業予定)
- SJDM(サン・ホセ・デル・モンテ)駅: ケソン市からブラカン州までを結ぶ路線。移動時間が大幅に短縮されるため、ベッドタウンとしての価値が急上昇しています。
注意すべきポイント
2025年に入り、マカティ市内の地下鉄計画が正式に中止されるなど、政治や用地問題によるプロジェクトの中断・遅延リスクは依然として存在します。そのため、インフラ「予定」だけでなく、実際の施工進捗(杭打ちが始まっているか等)を現地で確認することが極めて重要です。
では、また来週。



