ASEAN PERSON INTERVIEW vol.004
チャンスに富むミャンマーで、
現地の人達と共に成長していきたい
Growth Myanmar Co.,Ltd
芳賀 啓介氏
- 芳賀 啓介 / Keisuke Haga
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2003年大学卒業後、日系大手人材サービス企業入社。
10年間の勤務後、2013年にネット系ベンチャー企業の新規事業担当としてミャンマーへ赴任。その後、ミャンマーでGrowth Myanmar Co.Ltdを立ち上げ、代表取締役に就任。
プライベートでは、ヤンゴンの日本人野球チームの代表と、ミャンマー野球代表チームの「守備コーチ」も兼務。
2015年11月。この日を境にミャンマーは大きく変わると言われている。
なぜか?5年に1度の総選挙があるからだ。そして、最大野党である国民民主連盟(NLD:党首はアウン・サン・スー・チー氏)が有利と言われている。もちろん、選挙がどうなるかは不明だが、いずれにせよミャンマー内では非常な盛り上がりを見せている。
今回はそんなミャンマーで会社を立ち上げ、プライベートでは日本人野球チームのキャプテンとミャンマー野球代表チームの守備コーチを兼務し、現地の日本人仲間の兄貴的存在である芳賀氏に話を聞いた。(田中圭介)
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芳賀さん、今日はどうぞ宜しくお願い致します。
どうぞよろしくお願いいたします。しかし、同じ名前ですね、「けいすけ」って(笑)
そうです、だから勝手に親近感が湧いてしまってミャンマーまで来てしまいました(笑)同じ名前だからインタビューもお許し願えるだろうと(笑)
いえいえ、こちらこそ。わざわざヤンゴンまでお越し頂いて、嬉しいです。
ありがとうございます。本当にそう言っていただけるだけでこちらもありがたいです。さて、そろそろ本題に、ということで、芳賀さんのお仕事内容から伺ってもいいですか?
はい、出張視察者様向けハイヤーサービス、スマホを用いたタクシー配車サービス、タクシーのラッピング広告サービスという、車関連のサービス事業をメインに、その他調査委託、人材紹介等を展開しています。
かなり手広くやられているんですね。車関係のサービスというと、やはりミャンマーに進出したい、もしくは既に進出済みという日系企業がお客様になるんですか?
そうですね、ほとんどのお客様が日系企業になります。やはり、まだまだ安心して頼める会社が少ないということなんだと思います。
面白い所に目をつけられましたね。
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芳賀さんがミャンマーに来られたキッカケ
でも、そもそも芳賀さんはなぜミャンマーに来ようと思われたのですか?
ミャンマーという国が民主化間もないという絶妙のタイミングに非常に大きなチャンスを感じたからです。それで、外資規制等の進出に対するハードルの高さ、情報のなさ、インフラの悪さというネガティブな側面が色濃く残っているのですが、やはり将来的なマーケットとして期待できる人口規模、国民性、地理的条件等、ピンとくるものがありました。
なるほど。11月には総選挙もありますし、これから大きく変わりそうですよね。期待感は非常に高いと思います。
そうなんです。苦しい時も多いですが、やはり「これから成長する」というのはヒシヒシと感じますね。
街を歩くとそういう空気が漂っていますもんね。
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ミャンマーの魅力
では、芳賀さんから見たミャンマーの魅力を改めて教えてください。
まずは人口の多さ、そして近年の民間所得の向上にはポテンシャルを感じます。これはビジネスをやっていく上で非常に重要な指標になると思います。
この国は5,000万人以上の人口がいて、今後も増え続けていくと思います。
そして、最近少しずつ悪くなっている気がしなくもないですが、治安は意外と皆さんが思っているより良いと思います。敬虔な仏教徒がほとんどですし、顔立ちや肌の色が日本人に近いので、親近感をお互い感じやすいかもしれませんね。それと在留日本人の割合からすると日本料理屋も多くて困ることはありません。
最後に付け加えるならば、バンコクという大都市が隣にある為、買い出し等、都会の空気にも直ぐに触れられるのもいいところですかね(笑)(笑)。やはりマクロ的な観点からいうと非常に魅力的だと。
そうですね、地理的優位性も非常に大きいと思います。インドにもすぐに出られますし。製造業の方がミャンマーを狙う理由はよくわかります。
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ミャンマーのインフラ事情
とはいえ、ミャンマーでの生活は大変だろうなと勝手に思っているわけですが、この国の嫌いな所、と言いますか勘弁してほしいという点は何でしょうか?
それはいっぱいありますよ(笑) まずは、電気が足りない。しょっちゅう停電します。さらに水が濁っている事が多く、これもゲンナリする一つですね。
あとはインターネットが遅くて、料金は高い。つまり、インフラが他の東南アジアと比較しても段違いに悪いです。これは早急に改善してほしいですね。国も頑張っているみたいですが。
さらに、最近は進出企業が増えたのか、渋滞が日に日に酷くなってきていて、移動時間が全く読めません。
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さらにエアコンを使わないタクシーもまだまだ多いので、そんなタクシーに乗って渋滞にはまると地獄ですね。もう地獄(笑)ですので、弊社のハイヤーサービスを使っていただければ、快適に移動ができます。あ、宣伝になってしまいましたが(笑)
いえいえ、どうぞどうぞ。しかし、なかなかヘビーな環境ですね。特にインフラが整っていないというのが一番辛い所ですか?
んー、人間的なところは上げればキリがないので言いません(笑)というより、田中さんもタイで働いていた時は同じような感じだったと思いますが、やはり人に対してはそれも受容して、共に成長していく覚悟がないとダメですよね。
なので、この国の嫌いな部分というのは、インフラ未整備。ここですね。
だから、チャンスがいっぱいあるんだと認識しています。すごい。私もタイの生活で苦労した部分は確かにありましたが、芳賀さんと比較すると恐ろしく恵まれた環境だったんだと思い知らされました。
いえいえ、やはり信念というかこの国でやってやるんだ、という覚悟があれば、なんとか乗り越えられるものですよ。
んー、考えさせられます。
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親日の方が多いミャンマーだからこそ
気をつけるべき点とはでは、少し質問を変えて、この国で気をつけたほうが良いこと、この国ならではと思うことを教えてください。
一般人はみな素直で、どちらかというと控えめで、よい印象を持たれると思いますが、実は計算高いところもあります。また、特に資本家は本当に狡猾です。
うわべの”親日フレーバー”に騙されて、安易にパートナーシップを組むと痛い目に遭ってしまうと思います。
私自身そういう方を何名も見てきました。ですので、本当に気をつけていただきたいと思います。確かにそうかもしれませんね。新しく開放されつつある国だからこそ、余計にチャンスとリスクが背中合わせになっているんでしょうね。
そうです。面白い国ではあるものの、そんな簡単な国じゃないことは確かです。
いや、勉強になりました。
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読者の皆様へのメッセージ
最後にこれを読んでいる人へメッセージをお願いします。
ルールやレギュレーションが確立されていないからこそ、チャンスがある。と言える反面、しっかり現地に根付いて、ともに酒を飲んで、苦楽を共にする覚悟がないと絶対に失敗すると思います。進出は慎重に・・・と、思いますね。
でも、それを乗り越えることができれば、この国には未来しかありません。
私はこちらに住みだして、嫌な思いや辛い思いをさせてもらいましたが、やはりこの国が好きで、この国の人が好きで、一緒になって成長したいと強く思っています。
ですので、ぜひミャンマーという国に来ていただき、ミャンマーを肌で感じてほしいと思います。今日はお忙しい中、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
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【編集後記】
芳賀さんは不屈の人である。ご家族と一緒にミャンマーで悪戦苦闘しながら、その誰からも好かれるキャラクターでまさに日本とミャンマーの架け橋になろうと動かれている。
こういう日本人がもっと出てきてもいいくらいだ。
ASEANはチャンスに溢れている。もちろん、それ相応の苦労があるのは当然だが、だからこそ得られる果実も大きい。
そうやって世界に飛び出したモデルのような人だと思う。そして、ミャンマーと日本をもっと盛り上げてほしいと心から思ったインタビューだった。(田中圭介)
TODAY PARSON’S PROFILE
Growth Myanmar Co.,Ltd.
Managing Director
芳賀 啓介 Keisuke HAGA
- Growth Myanmar Co.,Ltd.
- SakuraTower Branch
No.1409, 14FL Sakura Tower 339, Bogyoke Aung San Rd, Kyauktada T/S,Yangon, Myanmar. - Office :+95-1-255010 / +95-1-255012
- Web Site : http://www.growth.bz|http://www.hire-s.com